ねむの木の花が咲きました。

西方音楽館の庭、梅の老木の隣に、粗末な小さな木が1本、今にも倒れそうな棒のように、傾いて立っていました。春になると葉っぱは少し生えてきますが、冬に向かうとまた、タダの棒のようになります。

 ある時、これは何の木かと夫に訪ねましたら「ねむの木。あなたの好きそうな花が咲く」とのこと。確か3年ほど前、「ねむの木の花が1つ咲いたよ」と言うので、しばらくたってから見に行きましたら、萎んだ後でした。

 去年もまだ、葉が生えてもみすぼらしく、花など付けず、老木の梅とザクロの木の間に、存在が無駄であるかのように立っているので、切り倒しても良いのでは?と思ったほどでした。

 ところが、今年の春、どうした訳か、あちらこちらに枝が伸び、伸びた枝に葉がわさわさと茂り、歩く通路、車がかろうじて通れる通路を塞ぐように、斜めに大きく繁茂しました。やがて、ある1か所に花が咲いたのです。それを皮切りに、あちらこちらに、数えきれないくらいねむの木の花が咲きました。

 綿毛ほどは密集しませんが、うす桃色の、ほわほわとしたいくつもの糸状の花びらが集まり、ふーっと息を吹くと細やかになびきます。本当に私が好きな花でした!そして、夜になると、ねむの木の葉は、ピタッと2つに閉じて、眠ります。

 なかなか芽が出ず、葉っぱも茂らず、花も咲かないねむの木でしたが、時が来ると花開きます。きっと何事もそうなのでしょう、とねむの木を通して、今更ながら思いました。