オルガンホールを夢見て

3つのコンサートを終えて


2011年1月10日
 
3つのコンサートを終えて
  
 昨年(2010年)ほど忙しかった年はありませんでした。
10年前から毎年1回、敷地内の「蔵」でコンサートを開いてきました。3年前からは「グリムの館」でもコンサートを開き、年2回となりました。昨年はさらに、地元の音楽家シリーズを「蔵」で初め、結局計3回コンサートを開きました。
昨年3回のコンサート、3種のコンサートとも言い換えられる、それぞれ異なる意味を持つものでした。
 

■4月25日(日) 「西方町にもいた!ギタリスト!」 蔵にて

 西方町在住のギタリスト佐藤純一さんに演奏して頂きました。
 田舎者の常かもしれませんが、私はいつも東京志向で演奏者を探していました。質の高いコンサートを目指していたからです。しかし、地元で頑張っていらっしゃる方々は、また別の意味で尊い働きをなさっています。そのことも大切にしたい、と思うようになりました。
 ご本人の希望で、子供のコンサートはなさらず、またメインコンサートも1回のみでしたので、結局、佐藤純一さんの関係者の方が矢継ぎ早にチケットを買って下さり、瞬く間に売り切れてしまいました。
 すぐ近くにお住まいの方のコンサートであり、またお話も親しみやすく、聴きにいらした皆様は、とても気楽にコンサートを愉しんで下さったようです。 
 

■7月19日(月)海の日 「音楽って自由なんだ!in グリムの館」

 「グリムの館」は300席。一人でチケットを売るには大変な数です。でも、私にとっては価値ある経験として、挑戦しました。結果は、失敗と、前進と、両方入り混じったものでした。
今回は、宣伝に力を入れ、チケット取扱店を各市、町、に置くことにしました。
 前回はお願いすることすら思いつきませんでしたが、今回は「グリムの館」の広報に載せてもらおう!と初めから念頭にありました。しかし、コンサートの出演者決定に手間取り、諸々の準備が遅れ、出演者が確定した時には、広報の締め切り日を過ぎてしまっていました。
「グリムの館」関係で他の手段は無いものか?と伺いましたら、「グリムの館」主催の催しもののちらしに、広告を載せられる、とのこと。時期的に「U事工事」の出るお笑いしかありませんでしたが、載せることにしました。ところが、宣伝が始まるや否や、瞬く間にその公演のケットは完売となり、ちらしの配布期間は非常に短期間となってしまいました。まして、お笑いに興味のある人は、コンサートには関心がありません。「グリムの館」関係での宣伝は失敗に終わりました。
 一昨年「ケーブルテレビで宣伝してあげる」との言葉を思い出し、各ケーブルテレビに宣伝をお願いしてみることにしました。直接訪ねたり、電話をしたり、手紙を書いたりしました。しかし、ケーブルテレビというものが地域限定であることを今回初めて知り、愕然としました。つまり、小山市近郊は小山ケーブルテレビ、栃木市近郊は栃木ケーブルテレビ、鹿沼市近郊は鹿沼ケーブルテレビ。私が住んでいる西方町は栃木ケーブルテレビのエリアでした。「グリムの館」は下野市なのですが、この市をカバーするケーブルテレビはまだ出来ていません。私が西方町に住んでいて、下野市で催し物をやるのでは、どこのケーブルテレビにとってもエリア外でした。
仕方がありませんので、栃木ケーブルテレビで有料の宣伝をしました。西方町、栃木市、壬生町の一部の、栃木ケーブルテレビを契約している家にだけしか放映されないことを承知で。
 地元の新聞「下野新聞」に記事にして頂こうとも思いました。しかし、西方町は鹿沼市局、グリムの館は下野市局、西方町在住の者が下野市でイヴェントをやるのでは、不利でした。
 結局、前宣伝は、効果的なことが出来ませんでした。
 当日、栃木県全域をカバーする「栃木テレビ」が、子供のためのおまけのコンサートの方だけ取材して下さり、栃木県全域に放映されました。
 コンサートの内容、質は申し分なく、良いものでした。子供のコンサートでは、数人の子どもたちが、初めてポジティフ・オルガンを弾き、これにフラメンコギターの高木潤一さんが即興で合わせて下さいました。
 メインコンサートは、前半がポジティフ・オルガンを用いた教会風、後半がピアノを用いたサロン風。クラシック系の音楽と、ジャズ系の音楽を一つのコンサートで十二分愉しむことが出来ました。これはひとえに、パイプオルガンとジャズピアノと両方弾きこなす小野田(岩崎)良子さんでなくては出来ないコンサートです。
 失敗ばかりが重なりましたが、次回へこの経験を生かすことが出来る、前進へ向けての失敗でした。
 

■11月5日(金)、6日(土) 「白壁で聴くベートーヴェンの芸術」 蔵にて

 毎年恒例の蔵でのコンサートです。出来る限り質の高いクラシック系の音楽を身近で聴くことを目的としています。
 今回はお話も上手な久元祐子さんをお招きし、レクチャー付きピアノコンサートにしました。ワルトシュタインソナタをめぐってのお話しでしたが、曲の成り立ち、構造、精神性を分かりやすくお話し下さり、またワルトシュタインに留まらず、幅広くベートーベンの人間性や、シューマンにも触れて下さいました。
 演奏だけでは、聴きなれている方でさえ、漫然と聞き流してしまうことがあります。レクチャーの時、ワルトシュタインソナタの重要な部分をいくつか取り出して、説明を加えながら弾いて下さいましたので、いざ、全楽章を通して聴くとき、音楽の構成をある程度把握しながら、聴くポイントを理解しながら、興味が尽きること無く、聴き通すことが出来ました。
 子供のためのおまけのコンサートでは、ピアノの周りに子供達お母さん方を集め、久元さんが、ピアノの鳴る仕組みを、具体的に分かりやすく、音も鳴らしながら、お話して下さいました。初めて知る機会を得た子供達は、皆、興味津々に、ピアノの中を覗き込んでいました。
 演奏だけでなく、知的にも理解することのできるレクチャー・コンサート、これからも度々やってみたいと思いました。
 
 まだまだ未熟で、試行錯誤をこれからも続けますが、コンサートを開くことの意味を、再考し、こんな辺鄙なところまでやって来たけれど、「来た甲斐があった」と思って頂けるコンサートを目指し、これからも努力を続けます。どうぞ、皆様、ぜひコンサートにいらして下さい。
 


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フォルテ・ピアノ
 篤志の方々のご寄付により、フォルテ・ピアノが、西方音楽館 木洩れ陽ホールに設置されました。
 クリストファー・クラーク1994年製
(A.ヴァルター1795年モデル)
 故小島芳子愛用の名器

 

 
 

館長のコーナー
 

まず、西方音楽館 木洩れ陽アップルパイ を販売します。

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「3本足のルー」が完成しました。ルーが教えてくれたことは、「子供が育つ」ということ、さらに「人間が育つ」ということへの、励ましとヒントになりました。

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リンク
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*ヒューテックの商品は、西方音楽館でも販売いたします